こちらの記事では、オフトレと雪山における、
アプローチ面での違い
についてご説明します。
その前に、前回の記事は見ていただけましたか?
こちらの記事には、雪山で忘れがちなライン幅についてが書かれています。
まだオフトレ施設を利用したことがない方も、オフトレだからこそ身に着けられる要素が満載ですし、ここでの滑りをそのまま雪山で活かせばいいだけなので、この記事を参考に見ていただくことをお勧めします。
そして、今日は、
『アプローチでの違い』
についてご説明します。
ここでのオフトレ施設の定義は、SNOVAなどの人工雪のオフトレ施設ではなく、
ブラシとマットで構成されるKINGSやQUESTなどの施設を指します。
確かに、雪とブラシは違うけど、
具体的に何が違うの?
本当に雪山で活かせるの?
という思われる方が多いと思います。
ですので、ここでしっかりとオフトレ施設の良さと適応度の高さに気づいていただき、ゲレンデに降り立った時、去年とのあなたのスノーボードスキルの違いに驚いてください!
ブラシと雪の感覚の違い
まず雪の上では、コンディションの差が大きいです。
気温や季節、時間、風、前日の雪質によってその日のコンディションは刻々と変わっていきます。
アプローチに関してはボコボコしていますが、基本的に整備されて固められています。
そのため、カービングをすればしっかりと雪を掘れるため、雪面をとらえやすく、強いテイクバックができ、回転力も非常につけやすいです。
しっかりと僕の理論を学んでいただいている方からすれば、感覚的には、180°分くらい回転力の差は生まれます。
一方で、ブラシ。
ブラシの感覚でよく言われるのは、
アイスバーンの上を滑っている
という感覚。
実際はアイスバーンとは若干異なるのですが
エッジを立てるとすぐすっぽ抜ける
カービング非常にシビアで難しい
という点があります。
さらにマットに穴が開かないようボードのエッジを丸めるため、余計にカービングが難しくなっていることから、
ほぼアイスバーンと同じ
と思っても過言ではないでしょう。
スピードについては、ブラシの種類にもよりますが、QUESTのeasy rideというブラシ以外はほとんどの場合雪の方が滑りやすい。
エッジが丸まり、エッジも噛まないのでゲレンデではあんなに簡単にできた横滑りもできず、止まってブラシの上に立つのは難しいのです。
実際にブラシ初心者が慣れるのには1,2日かかります。
僕ですら、1か月ぶりに行ったときなどはブラシに慣れず、アプローチで転ばないか不安になることもあります。
そのためブラシの上では、エッジのコントロールがより重要になり、一点に乗ってあげることができないと、滑ってしまいスピードの減速に繋がります。
だからこそ、ブラシの上で鍛えることでエッジコントロールが上達し、本当の意味でしっかりとエッジの上に乗ったカービングが可能になります。
ですので、カービングスキルをつける、という意味でもブラシの上でトレーニングするのはお勧めです。
スピンでは、雪山ではエッジをある程度立ててもすっぽ抜けることなく耐えしのいでくれますが、
それが横っ飛びに繋がったり、横っ飛びによって回転力が前に逃げ、前のめりになったりと非常に危険です。
オフトレ施設では、スピンでも、少しでもエッジが立ってしまうとエッジがすっぽ抜けてバランスを崩してしまうことから、改善すべき点に気づかせてくれ、修正する練習ができます。
なので、ブラシの方がそもそもの滑る環境が難しいことから、
オフトレ施設でできた技は
ゲレンデに行ってもできる
というのが僕の見解になります。
オフトレ施設のような厳しい環境で練習するからこそより正しいスキルを手に入れやすく、
高い成長角度でトリックを吸収していける。
そう、考えています。
雪山では天候や気温に注意
ただし、オフトレ施設でもそうですが、雪山では特に天候によるコンディションの問題があります。
雪が降っている日はスピードが減速したりエッジが噛みづらかったり、
一方で晴れたり春になると雪がシャバ雪になってスピードがつけづらく、同じくエッジが刺さるようになってしまったり。
さらに晴れの日に夕方になると一度溶けた雪が固まり、硬いバーンになるため、スピードが付きやすく着地も硬いので大変危険です。
ですので、コンディションを見極めて危険な時間帯、危険な日は回避する。
そういった心掛けが大切だと考えます。
オフトレ施設から雪山に移行して起こる課題
オフトレは技術を上げるという意味では、これ以上にない最高の環境です。
ですが、精神的な余裕の部分があるので、恐怖がちらつく雪山では、慣れるのに少し時間がかかるのも確かです。
オフトレ施設ではアプローチの長さが一定で、
安全
という意識があるため、減速もせずに飛べますが、
雪山に行くと全て自分次第になる為、常にスピードがどれくらいついているかを感覚的に把握できるようになることが必要です。
ですので、オフトレ施設でも、
着地の位置
風の強さ
(向かい風なのか、追い風なのか、横風なのか)
気温、コンディション
こういった部分を考慮しながら、常に着地の位置を意識的に合わせられるよう、オフトレ施設でも滑ることを強くオススメします。
終わりに
シーズンが終わりに近づき、オフトレ施設がオープンし始めるころですが、
まだまだしっかりとオフトレで上手くスピンできない
オフトレ施設に行ったことがない
そんな方はぜひ今年のオフシーズンは雪山だけでなくオフトレ施設に通ってもっともっと自分を整える滑りを目指しましょう!
オフトレ施設でも、今の時期はまだまだ寒いです。
手もかじかんでしまったりするので、ウェアやパーカー、グローブをしっかりとつけて滑りに行くことをおススメします!